• 家の光協会が開催する
  • さまざまなコンテストや
  • 地域に読書の輪を広げる
  • ための講座等を紹介します

一般社団法人 家の光協会は、
JAグループの出版文化団体です。

2021年5月号 絵本のSOBA

ようこそSOBAへ

今月のお客様

版画家 竹上妙さん
版画家 竹上妙さん

版画家 竹上妙さん

『みたら みられた』
『みたら みられた』
作/たけがみたえ
出版社/アリス館
税込価格/1,650円

 18歳の夏休み、長野県の山へ星空観察に行きました。暗い丘を登っていくと牛に囲まれ、目が合いました。その瞬間「うわ、見たら見られた…こわい、突進されたらやられる…」と、どんどん妄想がふくらんでいきました。あのとき感じたこわさが、振り返るとおもしろくて、以来ずっと「見たら見られた」をテーマに木版画で作品を作り続けています。

 絵本になった『みたら みられた』は、赤ちゃんが絵をじーっと見てくれたりするそうです。もう少し大きくなると「こわいから、こっち向けないで」という子もいるようです。こわがらせるつもりはないですが、「こわい」と言われるのは私にとって、なんだか嬉しい感想です。その世界に入り込んでくれたという証しですから。

『みたら みられた』

 私自身、幼い頃に経験した、「なんだかこわいけれど、また見たい」という感覚は、大人になった今でも強く印象に残っています。

「見たら見られた」瞬間は、どきっとしたり、ニヤッとしたり、時には気まずかったり、いろいろです。言葉では伝えきれない感覚を、絵本で感じてもらえたら嬉しいです。そして実際に目が合う瞬間に気がついたり、遭遇するようになったら楽しいなと思います。

ページトップへ