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第26回 審査講評世界こども図画コンテスト

第26回「世界こども図画コンテスト」審査会 審査講評

第2次審査員

(敬称略)

神代 浩 
東京国立近代美術館 館長

神代浩(かみよひろし)

愛情や感動などの心情は万国共通

今回も個性豊かな作品が揃いました。「どうしてこの子はこの生き物の顔をどアップで描くのだろう?」

「どうしてこの子はこの風景にこの色を使うのだろう?」と驚かされ、唸らされながら拝見していました。

その一方で、家族への愛情、命に対する崇敬の念、自然の神秘に触れたときの感動といった心情は万国共通だな、とも感じました。

世界中どこに住んでいても、子どもの持つ無限の力が大人になって失われることのないよう、これからも作者たちの成長を温かく見守り、彼らの心に寄り添ってゆく。これこそ大人の責務だと痛感しました。

水島 尚喜 
聖心女子大学 教授

水島 尚喜(みずしまなおき)

子どもたちの絵は「魔法の窓」

世界の子どもたちの絵にそっと耳を澄ましてみます。すると、絵の向こう側から風が吹いてきます。波の音が、遠くから聞こえてきます。大好きな人や自然が、素朴に表現されています。子どもたちの絵は、人間にとって何が大切なものなのかを、我々大人たちに教えてくれるのです。

それぞれの絵の内容は異なっていますが、決して説明的ではありません。伸びやかな線や色で描かれた内容は、専門家の絵以上に思いや感情が見る側にストレートに伝わってきます。子どもたちの絵は、既成概念や制度的なものの見方を相対化してくれる「魔法の窓」といえるのかもしれません。

海老 洋 
東京藝術大学 准教授

海老 洋(えびよう)

絵画を絵画として純粋に評価できるコンテスト

今回初めて「世界こども絵画コンテスト」の審査に参加させていただきました。

私は日ごろから子どもの絵に野放図な自由さや無邪気さのみを期待することはありません。審査会場には様々な作品が並んでいました。色彩の美しい作品。構成の巧みな作品。いっそ技巧的だといえる作品。厳しい一次審査で正しく絞られた、個性的で自発的な厳選された作品群でした。どの国の子どもも表現に工夫を凝らし、どうやって言いたいことを伝えるか模索の跡が見えます。絵画を絵画として純粋に評価できるコンテストの審査は、とても楽しいものでした。このコンテストが末永く続くことを心から望んでおります。

大野 正人 
全国造形教育連盟 委員長

大野 正人(おおのまさと)

色とりどり、個性的な色遣いの作品の数々

今年も世界各地から、たくさんの作品が寄せられてきました。

色とりどり、個性的な色遣いで描かれているとともに、描かれた場所の光や空気までも感じさせ生き生きと伝えかけてくる作品が数多くありました。農業、農村、自然、環境、人、家族をテーマとして、それぞれ各々のフィーリングで様々な対象を自由に描いており、伸びやかさやお国柄のような文化が伝わってきました。子どもたちならではの柔軟性に富み可能性を秘めた作品と出会うことができました。今後も世界中の子どもたちからの若さあふれる作品をお待ちいたしております。

結城 昌子 
美術の絵本作家

結城 昌子(ゆうきまさこ)

周りに息づく手触りを正直に表現

毎年いろいろな形で、子どもたちの絵を数多く見る機会をいただいています。日本の子どもたちの作品は、線描に支えられた描写が目立つ一方、世界76の国から応募のあるこのコンテストでは、線よりも、色やマティエールを駆使した作品が目立ちます。

国によって様々な表現が見られ、それぞれにエキゾティックな香りをふりまき、その愛らしさに心が躍ります。どの国の子どもたちも、周りに息づく手触りのようなものを正直に表現していて、ひとりひとりの心の中でどんな夢のつぼみが開いているのか無性に聞いてみたくなったりもします。

素敵なコンテストに参加させていただいていると実感しています。

第1次審査員

石川清子 宮代町立百間中学校 教諭

金田卓也 大妻女子大学 教授

北澤俊之 東洋大学 准教授

小口誠 宇都宮市立星が丘中学校 教頭

小澤基弘 埼玉大学 教授

鷹野晃 北杜市立武川中学校 校長

鶴内秀一 東久留米市立第三小学校 主任教諭

藤岡孝充 鎌倉女子大学 教授

古澤圭子 柏市立土南部小学校 教諭

丸雄治 玉川大学 客員教授

守田純一 三郷市立吹上小学校 教頭

横山徹 青山学院大学 教授

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