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<第4回>岸本葉子さんのエッセイの書き方&ワンポイントアドバイス読書エッセイ

第4回 捨てる勇気も、ときに必要

 いざ書いてみたら、募集の規定文字数(原稿用紙の枚数)よりずいぶん短く終わってしまった。さて、どうするか。

 ヤマ場の前の「承」を引き延ばすのはおすすめできないと、前回書きました。点検するのは「転」です。読み手が出来事を追体験できるように書けているでしょうか。はしょってはいないでしょうか。

岸本葉子さんのエッセイの書き方&ワンポイントアドバイス第4回 捨てる勇気も、ときに必要

 例えば、食卓にはいつもの家族の団欒の風景が、と書いたとします。それだけでは、読み手はどんな風景を思い描いたらいいのか、わかりません。ちゃぶ台? ダイニングテーブル? その上には何が載っている? 誰と誰がどんなふうに囲んでいる? 具体的に書きましょう。

規定文字数より長くなってしまったときは? 「転」をはしょるのがよくないのは、団欒の例からも感じていただけるでしょう。改行をなくすことで縮めるのも、解決策とはいえません。すみからすみまで、べたーっと字が並んでいると、読み手は読むのが嫌になってしまいます。

読み手をヤマ場へ連れていくのに不要な情報が「起」や「承」にないかを点検し、あれば削ります。それでもまだはみ出て、どうにも収まらない。そのときは、題材そのものを潔くあきらめます。いちばん書きたいことなのに残念でしょうけれど、無理して詰め込んでは、せっかくの題材を生かせません。適した文字数で書ける機会が来るまで、だいじにとっておきましょう。

岸本葉子さんのワンポイントアドバイス

「結」で気をつけたいのは、恨み、つらさ、苦しさといったネガティブなものを、読み手に渡して終わりにしないことです。自分のことを何も知らない読み手に、最後までついてきてもらったのです。ねぎらい感謝する意味でも、何らかの救いになるものを設けましょう。

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