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<第2回>岸本葉子さんのエッセイの書き方&ワンポイントアドバイス読書エッセイ

第2回 出来事を通して、感じてもらう

 エッセイを書くときは、何かしら伝えたい「思い」や「考え」があることでしょう。それを、私はこう思う、こう考える、と主張したり説得したりするように書くと、読み手はひいてしまいます。

あくまでも出来事を通して、読み手に「ああ、たしかにそうだな」と感じてもらうようにします。

出来事の起きる現場へ、読み手を連れていく、と前回述べました。書き手が、ある「思い」や「考え」を抱くにいたった出来事の中へ、読み手に入ってきてもらうのです。その出来事を、書き手といっしょにひととおり体験し(追体験といいます)、通り抜けてきたときに、「ああ、たしかにそうだな」という感じが残るようにするのです。 すなわち「入口」と「出口」を、エッセイでは意識します。さりげなく入って、出てきてみたら、入る前より少し、心の深いところに下りていた、というつくりが理想です。

 ありがちなのは、出来事の断片を並べたつくりのエッセイです。例えば、夏は私の好きな季節だ、夏といえばこんなことがあった、あんなことがあった、だから私は夏が好きだ。

これだと読み手は、出来事の流れを追体験できません。出てきたとき、入る前とたいして変わらないところにいて、深いところをくぐってきた感じがしないのです。ツイッターなど短い文でものを伝える機会の多い今、注意したいつくりです。

岸本葉子さんのワンポイントアドバイス

「思い」や「考え」を展開したいとき、やってしまいがちな書き出しがあります。○○とは何だろうか。辞書によると……。いかにも構えた印象になりますし、辞書の記述という、いわば人の文章で、自分のエッセイを埋めるのはおすすめできません。

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